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褥創(ジョクソウ ) その2 4月の半ば、母は発作を起こして入院しました。 私が見たら、脳梗塞?でしたが、診断は付かず、10日間で退院しました。 入院が決まった時、母はほとんど動けないこと、以前褥創が出来たことなどを看護師さんに話し、褥創予防用のマットをお願いするつもりでした。 ところが、マットは空きがなく、堅い普通のマットのままで、しばらく過ごすことになり、私は慌ててしまいました。 |
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2〜3時間おきには体位変換をします。とはおしゃっていただきましたが… 自宅にある低反発のマットを持ち込み、少しでも褥創から、母を守りたいと思いました。 二日後、褥創予防用のマットと交換されました。看護師さんが体圧計で計ってくださいましたが, その数値はだいぶ高いものでした。看護師さんは納得していましが… 実はその病院は、褥創予防委員会があって、私もその講習会に参加させていただいたことがありました。その数値がどのくらいのものか、よく解っていました。 母が退院するまで、そのマットは変わることはありませんでした。 10日後、退院して、真っ先に私が見たのが、お尻であることは言うまでもありません。 骨折のおまけつきでしたから、お尻の状態を確認するのも大変で・・・痛がりますから。 皮膚は黒ずんで、もしかしたらずれているかもと思いましたが、明らかな褥創には見えませんでした。ですから、そっと、移乗し、こすらないように、ずらないようにしていましたが、退院 2週間後、べろっと、皮がむけてしまいました。大きさは2×3センチぐらい。やはり、仙骨の付近。 ところが、返ってこれで治療がしやすくなりました。膿みを持っているとわかっても素人では切って出すことができませんから… 以前、治療した時には発売されていなかったキズパワーパッドを使うことにしました。 ハイドロコロイドの素材が使われていて、最大、5日間貼りぱなしOK、というものです。 すると、貼ってすぐから浸出液が、外から確認することができました。 2日目にお風呂から出ると、自然にはがれ、上皮かが確認できます。こうなると、母のお尻を見るのが楽しみに(笑) 鳥谷部先生のサイトを何度も覗く。そして自分の自分の目で確かめてみる… ところが、もう少しと言うところで、足踏み状態。おまけに、皮膚が赤くなってきた… そのうちに、褥創部分はよくなってきたのに、そのまわりの皮膚がはがれてきた。こうなると、考え直すしかありません。 キズパットで続けるのには無理がありそうなので、ラップに切り替えることにしました。 以前は仙骨辺りに貼るのは無理があると思っていました。でも、サイズを大きくすれば良いことに気が付きました。小さくその部分だけに貼ろうと思ったのが、間違いでした。 はがれた皮膚もすっぽり包むくらい大きめにラップを切り、肛門側だけテープを貼らず三方だけをとめることにしました。そこから、余分な浸出液はオムツにしみこんでいきます。 それまでは、デイのヘルパーさんにも理解していただき、靴擦れパッドやキズパッドを使ってきたのですが、ラップとなると解っていただけるか、少し心配でした。 ラップをはずし、普通にお風呂に入れていただくことにして、テープの貼り方など細かく書いて、お願いをしました。 協力をしていただくことができたのは、本当にありがたいことでした。 自宅だけではできませんから… そして、このHPでお知り合いになったホタルさんが紹介された殺菌水(トリノ水)を使ってみることに消毒は皮膚を傷めてしまうのですから、使えませんが、皮膚に湿疹が出来るのも困り者です。 取り寄せて、ラップを貼る前にしゅっ、しゅっ… 1ヶ月ほどかかりましたが、母のお尻は綺麗になりました。 始めは朝、昼、夜、ピンクの肌になってからはあさ、夜の二回、それを繰り返してきました。 まだピンクの部分はありますが、とてもしっかりしてきました。 入浴介助に来てくれるヘルパーさんも、初めてですと言いながら、関心を持ってみてくださいました。新しいことに、目をつぶるのではなく、興味を持って、見ていてくださることは、介護をしていてとても、励みになりました。 靴擦れシールで直したことを聞いて、すっとんきょうにびっくりして見せたのは、現場の看護師さんでした。ハイドロコロイドの素材のものですよと言うと、そのまま黙ってしまわれましたが… 聞く、耳だけは持って欲しいと思いました。 (2004,7,16) 私の住んでいる地域では、褥創を予防するのにかかった費用を、最高、25000円/年を 補助をしていただけることになりました。 我が家ではマット代を補助していただけるようです。私が、靴擦れシールやキズパットを使用していることを知っているケアマネさんは、”これは、だめなのよね〜”と、申し訳なさそう・・・ 被覆材も補助の対象に入っていますから。 ラップ療法/開放性ウエットドレッシング療法 「これは、あくまでも私の個人的な経験です。ほかの方にそのまま当てはまるとは限りませんので、主治医と相談のうえラップ療法を実施することをお勧めします。ラップ療法のサイトでは、診断・治療は行っていないとのことです。質問のある方は、サイトの『掲示板』にお書きくださいとのことでした」 |